アーキア(古細菌)ドメイン(Archaea)

目レベルの分類(Orders)

ドメイン
Domain

Kingdom
上門
Superphylum

Phylum

Class

Order
アーキア(古細菌)ドメイン
Archaea




































アーキア(古細菌)ドメイン
Archaea
ナノブデラ界
Nanobdellati
DPANN上門
DPANN
"イアンアーキウム門"[1]
"Iainarchaeota"
"イアンアーキウム綱"
"Iainarchaeia"
"イアンアーキウム目"
"Iainarchaeales"
"パルウ古細菌門"
"Parvarchaeota"
"パルウ古細菌綱"
"Parvarchaeia"
"パルウ古細菌目"
"Parvarchaeales"
"アエニグム古細菌門"
"Aenigmatarchaeota"
"アエニグム古細菌綱"
"Aenigmatarchaeia"
"アエニグム古細菌目"
"Aenigmatarchaeales"
"ナノ好塩古細菌門"
"Nanohalarchaeota"
"ナノ好塩古細菌綱"
"Nanohalarchaeia"
"ナノ好塩古細菌目"
"Nanohalarchaeales"
ナノブデラ門[2]
Nanobdellota
ナノブデラ綱
Nanobdellia
ナノブデラ目
Nanobdellales
"ナノアーキウム綱"
"Nanoarchaeia"
"ナノアーキウム目"
"Nanoarchaeales"
"ミクル古細菌門"
"Micrarchaeota"
"ミクル古細菌綱"
"Micrarchaeia"
"ミクル古細菌目"
"Micrarchaeales"
ミクロカルダス門
Microcaldota
ミクロカルダス綱
Microcaldia
ミクロカルダス目
Microcaldales
メタノバクテリウム界
Methanobacteriati
メタノバクテリウム門[3]
Methanobacteriota
メタノバクテリウム綱
Methanobacteria
メタノバクテリウム目
Methanobacteriales
メタノコックス綱
Methanococci
メタノコックス目
Methanococcales
"メタノミクロビウム綱"
"Methanomicrobia"
メタノミクロビウム目
Methanomicrobiales
メタノサルシナ綱
Methanosarcinia
メタノサルシナ目
Methanosarcinales
メタノセラ目
Methanocellales
ハロバクテリウム綱
Halobacteria
ハロバクテリウム目
Halobacteriales
ハロルティラス目
Halorutilales
テルモプラズマ綱
Thermoplasmata
テルモプラズマ目
Thermoplasmatales
メタノマッシリイコックス目
Methanomassiliicoccales
アーケオグロブス綱
Archaeoglobi
アーケオグロブス目
Archaeoglobales
メタノピルス綱
Methanopyri
メタノピルス目
Methanopyrales
テルモコックス綱
Thermococci
テルモコックス目
Thermococcales
メタノナトロナアーキウム綱
Methanonatronarchaeia
メタノナトロナアーキウム目
Methanonatronarchaeales
テルモプロテウス界
Thermoproteati
TACK上門
TACK
テルモプロテウス門
Thermoproteota
テルモプロテウス綱[4]
Thermoprotei
テルモプロテウス目
Thermoproteales
デスルフロコックス目
Desulfurococcales
スルフォロブス目
Sulfolobales
アシディロブス目
Acidilobales
フェルヴィディコックス目
Fervidicoccales
ニトロソスパエラ綱[5]
Nitrososphaeria
ニトロソプミルス目[7]
Nitrosopumilales
"ニトロソカルドゥス目"
"Nitrosocaldales"
ニトロソスパエラ目
Nitrososphaerales
コネクシウィスパエラ目
Conexivisphaerales
ニトロソタリア目
Nitrosotaleales
メタノスラティンコーラ綱
Methanosuratincolia
メタノスラティンコーラ目
Methanosuratincolales
"コル古細菌綱"
"Korarchaeia"
"コル古細菌目"
"Korarchaeales"
"アイグ古細菌門"
"Augarchaeota"
所属不明
incertae sedis
"カルディアーキウム目"
"Caldarchaeales"
"バテュ古細菌門"
"Bathyarchaeota"
"バテュ古細菌綱"
"Bathyarchaeia"
"バテュ古細菌目"
"Bathyarchaeales"
"ゲオ古細菌門"
"Geoarchaeota"
所属不明
incertae sedis
所属不明
incertae sedis
プロメテアーキア界
(プロメテ古細菌界)
Promethearchaeati
アスガルド古細菌上門
Asgardarchaeota
プロメテアーキア門
(プロメテ古細菌門)
Promethearchaeota
プロメテアーキア綱[6]
Promethearchaeia
プロメテアーキア目
Promethearchaeales
"オーディン古細菌綱"
"Odinarchaeia"
"オーディン古細菌目"
"Odinarchaeales"
"トール古細菌綱"
"Thorarchaeia"
"トール古細菌目"
"Thorarchaeales"
"ヘイムダル古細菌綱"
"Heimdallarchaeia"
"ヘイムダル古細菌目"
"Heimdallarchaeales"


分類表更新:2018年11月(2026年02月改訂)


  1. ^ ディアフェロトリテス(Diapherotrites)
  2. ^ ナノアーキオータ(ナノ古細菌)(Nanoarchaeota)
  3. ^ ユーリアーキオータ(ユーリ古細菌)(Euryarchaeota)
  4. ^ クレンアーキオータ(クレン古細菌)(Crenarchaeota)
  5. ^ タウムアーキオータ(タウム古細菌)(Thaumarchaeota)
  6. ^ ロキアーキオータ(ロキ古細菌)(Lokiarchaeota)
  7. ^ センアーケウム目(Cenarchaeales)


アーキア(古細菌)ドメイン(Domain Archaea)

バクテリア(真正細菌)よりも真核生物に近縁な原核生物が所属します。メタン菌や好熱菌、好塩菌、好酸菌など、極限環境微生物が多く存在することで知られています。

3ドメイン説によれば、姉妹群は真核生物ドメイン(Eucarya)です(2ドメイン説(エオサイト説)については後述)。

和名は「古細菌」が使われることが多いですが、細菌(バクテリア)の仲間ではありません。「アーキア」「始原菌」も使われます。

アーキア(古細菌)ドメイン内の分類については、以下4界に分けられる方法が有力です。(ナノブデラ界については、アーキア(古細菌)の中で最も初期に分岐したとする説が有力ですが、メタノバクテリウム界に含まれる解析もあります)。

当サイトにおけるアーキア(古細菌)ドメインの界階級の分類は2024年に公表された『原核生物の2つのドメインと7つの界の名称の正式発表』および『https://doi.org/10.1099/ijsem.0.006435』に基づいています。

当サイトにおけるアーキア(古細菌)ドメインの門階級以下の分類では、[LPSN (2026)]に正式に記載されているグループのみ記述しています。LPSNに正式に記載されていないグループ(候補門・綱・目、未培養系統)については、2025年以前に記述してあったグループのみ""で囲って残しています。

ナノブデラ界(Kingdom Nanobdellati)
= DPANN上門(Superphylum DPANN)

ディアフェロトリテス(Diapherotrites)、パルウ古細菌(Parvarchaeota)、アエニグム古細菌(Aenigmatarchaeota)、ナノ好塩古細菌(Nanohalarchaeota)、ナノ古細菌(Nanoarchaeota)などの仲間です。LPSN正式記載は2門ですが、当サイトでは暫定的に7門を認めます。

上に挙げた5門の頭文字からDPANNの名が付けられており、分類階級を与える場合は上門とすることが多いです。

なお2024年に公表された『原核生物の2つのドメインと7つの界の名称の正式発表』によって、正式に「ナノブデラ界(Kingdom Nanobdellati)」の名が与えられています。

細胞サイズとゲノムサイズが非常に小さなことが特徴で、アーキア(古細菌)の中で最も初期に分岐したとする説が有力です。

メタノバクテリウム界(Kingdom Methanobacteriati)

ユーリアーキオータ界(ユーリ古細菌界)(Euryarchaeota)。メタノバクテリウム、メタノコックス、メタノミクロビウム、ハロバクテリウム、テルモプラズマなどの仲間です。LPSN正式記載は1門9綱ですが、当サイトでは暫定的に1門10綱を認めます。

好熱菌、好塩菌、好酸菌、メタン菌など、様々な生物が存在します。「ユーリ(Eury)」とは、幅広い環境に生息していることから「広い」を意味するギリシア語の「ευρυς(eurys)」に因んでいます。

なお2024年に公表された『原核生物の2つのドメインと7つの界の名称の正式発表』によって、それまでの暫定的な「ユーリアーキオータ界(Kingdom Euryarchaeota)」から正式に「メタノバクテリウム界(Kingdom Methanobacteriati)」に改称されています。

姉妹群と推測される(テルモプロテウス界 + プロメテアーキア界)との形態的な差は乏しく、主に16S rRNA系統解析によって区別されています。

テルモプロテウス界(Kingdom Thermoproteati)
= TACK上門(Superphylum TACK)

クレン古細菌(Crenarchaeota)、タウム古細菌(Thaumarchaeota)、アイグ古細菌(Augarchaeota)、コル古細菌(Korarchaeia)などの仲間です。LPSN正式記載はテルモプロテウス門の1門のみですが、その他の系統も見つかっていて、当サイトでは暫定的に4門を認めます。

上に挙げた4系統の頭文字からTACKの名が付けられており、一般的に上門の階級が与えられています。別名フィルアーキオータ上門(Superphylum Filarchaeota)。

なお2024年に公表された『原核生物の2つのドメインと7つの界の名称の正式発表』によって、正式に「テルモプロテウス界(Kingdom Thermoproteati)」の名が与えられています。姉妹群は恐らくプロメテアーキア界(Promethearchaeati)です。

テルモプロテウス綱(Class Thermoprotei)

クレンアーキオータ(クレン古細菌)(Crenarchaeota)。テルモプロテウスの仲間です。LPSN正式記載は5目となります。

メタノバクテリウム門同様、極限環境微生物を多く含みます。「クレン(Cren)」とは、「泉・源泉」を意味するギリシア語の「κρηνη(crene)」に因んでいます。

ニトロソスパエラ綱(Class Nitrososphaeria)

タウムアーキオータ(タウム古細菌)(Thaumarchaeota)。ニトロソスパエラの仲間です。LPSN正式記載は4目となりますが、当サイトでは暫定的に5目を認めます。

比較的温和な環境に分布しています。「タウム(Thaum)」とは、「不思議な」を意味するギリシア語の「Θαύμας(thaumas)」に因んでいます。

プロメテアーキア界(Kingdom Promethearchaeati)
= アスガルド古細菌上門(Superphylum Asgardarchaeota)

プロメテ古細菌界。ロキ古細菌、オーディン古細菌、トール古細菌、ヘイムダル古細菌の仲間です。LPSN正式記載はプロメテアーキア門・プロメテアーキア綱の1門1綱のみですが、当サイトでは暫定的に1門4綱を認めます。

アスガルド(Asgard)とは、北欧神話における神々の住まう世界に因んでいます。なお、ロキ(Loki)、オーディン(Odin)、トール(Thor)、ヘイムダル(Heimdall)は北欧神話における神の名前です。一般的に上門の階級が与えられています。

ちなみに2024年に公表された『https://doi.org/10.1099/ijsem.0.006435』によって、「プロメテアーキア界(Kingdom Promethearchaeati)」の名が与えられています。姉妹群は恐らくテルモプロテウス界(Thermoproteati)です。

なお、2ドメイン説(2 Domain System)(エオサイト説(Eocyte hypothesis))によれば、当グループが最も真核生物に近縁だとされます。


解説文更新:2018年11月23日(2026年02月27日改訂)



2ドメイン説(エオサイト説)

サブシステム
Subsystem
ドメイン
Domain

Kingdom
上門
Superphylum

Phylum

Class
細胞生物
Cellulata(Cytota)
バクテリア(真正細菌)ドメイン
Bacteria
アーキア ドメイン
Archaea
ナノブデラ界
Nanobdellati
DPANN上門
DPANN
メタノバクテリウム界
Methanobacteriati
メタノバクテリウム門
Methanobacteriota
テルモプロテウス界
Thermoproteati
TACK上門
TACK
プロメテアーキア界
Promethearchaeati
アスガルド古細菌上門
Asgardarchaeota
プロメテアーキア門
Promethearchaeota
プロメテアーキア綱
Promethearchaeia
"オーディン古細菌綱"
"Odinarchaeia"
"トール古細菌綱"
"Thorarchaeia"
"ヘイムダル古細菌綱"
"Heimdallarchaeia"
真核生物
Eucarya(Eukaryota)


分類表更新:2020年01月(2025年10月改訂)


2ドメイン説(2 Domain System)
= エオサイト説(Eocyte hypothesis)

2ドメイン説(2 Domain System) = エオサイト説(Eocyte hypothesis)とは、アーキア(古細菌)の1系統であるアスガルド古細菌の中から真核生物の祖先が進化したとする仮説です。

この仮説を認めた場合、アーキア(古細菌)は側系統群で、アーキア(古細菌)と真核生物を合わせて初めて単系統群になる為、生物は2つのドメイン「バクテリア(細菌)」「アーキア(古細菌 + 真核生物)」に分けられるとされます。

なお、これに対する3ドメイン説(3 Domain System)の詳細については生物(Biota)細胞生物(Cellulata)も参照のこと。

バクテリア(真正細菌)ドメイン(Domain Bacteria)

3ドメイン説(3 Domain System)のバクテリア(真正細菌)ドメインと同じです。

アーキア ドメイン(Domain Archaea)

3ドメイン説(3 Domain System)ではアーキア(古細菌)ドメイン(Domain Archaea)と真核生物ドメイン(Domain Eucarya)は姉妹群でしたが、2ドメイン説(エオサイト説)ではアーキア(古細菌)の内部分類に真核生物が含まれます。

これをアーキア(Archaea)と呼びます(但し、参考文献によってはこのグループをアルカリア(Arkarya)と呼ぶこともあります)。

この場合、アーキアを古細菌と翻訳してしまうのは正確ではなくなるので、当サイトでは「アーキア」とカタカナのまま表記しています。

真核生物(Eucarya)

3ドメイン説(3 Domain System)の真核生物ドメイン(Domain Eucarya)と同じです。

但し、アーキア ドメイン - プロメテアーキア界 - アスガルド古細菌上門 - プロメテアーキア門の下位分類であるため、分類階級がドメインのままでは分類階級の整合性が崩れてしまいます。

もし将来、2ドメイン説(エオサイト説)が正しいことが証明された場合は、分類階級の整理が行われることが期待されます。


解説文更新:2020年01月25日(2025年10月18日改訂)


参考




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