齧歯目(ネズミ目)(Rodentia)

科レベルの分類(Families)


Order
亜目
Suborder
下目
Infraorder
小目
Parvorder
上科
Superfamily

Family
齧歯目(ネズミ目)
Rodentia


































齧歯目(ネズミ目)
Rodentia
ヤマアラシ形亜目
Hystricomorpha
(Ctenohystrica)
グンディ形下目
Ctenodactylomorphi
グンディ上科
Ctenodactyloidea
グンディ科
Ctenodactylidae
ディアトミス科
Diatomyidae
ヤマアラシ顎下目
Hystricognathi
ヤマアラシ小目(ヤマアラシ上科)
Hystricoidea
ヤマアラシ科
Hystricidae
フィオミス小目
Phiomorpha
ヨシネズミ上科
Thryonomyoidea
ヨシネズミ科
Thryonomyidae
アフリカイワネズミ科
Petromuridae
デバネズミ上科
Bathyergoidea
デバネズミ科
Bathyergidae
ハダカデバネズミ科
Heterocephalidae
テンジクネズミ小目
Caviomorpha
テンジクネズミ上科
Cavioidea
パカ科
Cuniculidae
テンジクネズミ科
Caviidae
アグーチ科
Dasyproctidae
アメリカヤマアラシ上科
Erethizontoidea
アメリカヤマアラシ科
Erethizontidae
チンチラ上科
Chinchilloidea
チンチラ科
Chinchillidae
パカラナ科
Dinomyidae
デグー上科
Octodontoidea
チンチラネズミ科
Abrocomidae
ツコツコ科
Ctenomyidae
デグー科
Octodontidae
アメリカトゲネズミ科
Echimyidae
ネズミ形亜目
Supramyomorpha
(Myomorpha)
ビーバー形下目
Castorimorphi
(Castorimorpha)
ビーバー上科
Castoroidea
ビーバー科
Castoridae
ホリネズミ上科
Geomyoidea
ホリネズミ科
Geomyidae
ポケットマウス科
Heteromyidae
ウロコオリス形下目
Anomaluromorphi
(Anomaluromorpha)
ウロコオリス科
Anomaluridae
トビウサギ科
Pedetidae
マクナシウロコオリス科
Zenkerellidae
ネズミ形下目
Myomorphi
(Myodonta)
トビネズミ上科
Dipodoidea
トビネズミ科
Dipodidae
オナガネズミ科
Sminthidae
トビハツカネズミ科
Zapodidae
ネズミ上科
Muroidea
トゲヤマネ科
Platacanthomyidae
メクラネズミ科
Spalacidae
カンガルーハムスター科
Calomyscidae
アシナガマウス科
Nesomyidae
キヌゲネズミ科
Cricetidae
ネズミ科
Muridae
リス形亜目
Sciuromorpha
ヤマネ下目
Glirimorpha
ヤマネ上科
Gliroidea
ヤマネ科
Gliridae
リス下目
Sciurida
リス上科
Sciuroidea
ヤマビーバー科
Aplodontidae
リス科
Sciuridae


分類表更新:2017年12月(2025年06月改訂)


齧歯目(ネズミ目)(Order Rodentia)

ネズミ、ヤマアラシ、リスの仲間です。姉妹群は兎形目(ウサギ目)(Lagomorpha)です。

前歯(門歯)が一生伸び続けるという特徴があり、そのため物を齧(かじ)る習性があり、「齧歯」目という名前の由来となっています(学名の「Rodentia」も語源は同じ)。

哺乳綱の中で最も種数が多く、約半分ほどを占めます。科数も多く、35科を認めます。体の小さな種が多く、最大種はカピバラ(Hydrochoerus hydrochaeris)です。

当サイトでは3亜目、7下目に分ける分類を採用しています(ネズミ形亜目に属する3下目を亜目に格上げする分類もあります)。

当サイトの科分類は主に[Burgin et al. (2020)]によっています。また、当サイトのネズミ形亜目(Suborder Supramyomorpha)とそれに属する3下目(ビーバー形下目、ウロコオリス形下目、ネズミ形下目)の分類は[D’Elía et al. (2019)]に基づいています。

ヤマアラシ形亜目(Suborder Hystricomorpha)

Ctenohystricaとも。グンディ、ヤマアラシ、テンジクネズミ、チンチラ、デグーなどの仲間です。2下目から成ります。

グンディ形下目(Infraorder Ctenodactylomorphi)

グンディ、ラオスイワネズミの仲間です。1上科2科から成ります。

ヤマアラシ顎下目(Infraorder Hystricognathi)

ヤマアラシ、デバネズミ、テンジクネズミ、チンチラ、デグーなどの仲間です。3小目から成ります。

かつてはヤマアラシ顎亜目とされましたが、グンディの仲間が近縁であることが分かると、階級が一段下げられて存続しています。

ヤマアラシ小目(Parvorder Hystricoidea)

ヤマアラシの仲間です。体に鋭い針毛(棘)を生やしているのが特徴です。ヤマアラシ科(Hystricidae)1科のみから成ります。

旧世界(ユーラシアやアフリカ)に生息しています。

最近ではフィオミス小目と単系統を成さない説が有力です。

なお、アメリカヤマアラシ科(Erethizontidae)はテンジクネズミ小目に属しており別の系統です。

フィオミス小目(Parvorder Phiomorpha)

ヨシネズミ、アフリカイワネズミ、デバネズミの仲間です。4科から成ります。

最近ではヤマアラシ科と単系統を成さない説が有力です。ハダカデバネズミ(Heterocephalus glaber)が有名です。

ハダカデバネズミをデバネズミ科に含める分類もあります。

テンジクネズミ小目(Parvorder Caviomorpha)

テンジクネズミ、モルモット、カピバラ、アメリカヤマアラシ、チンチラ、デグー、ヌートリアなどの仲間です。4上科10科から成ります。

テンジクネズミ上科(Superfamily Cavioidea)

テンジクネズミ、モルモット、カピバラ、パカ、アグーチなどの仲間です。3科から成ります。

実験動物に使われるモルモットや齧歯目最大の動物カピバラが有名です。

アメリカヤマアラシ上科(Superfamily Erethizontoidea)

アメリカヤマアラシの仲間です。ヤマアラシ科同様、体に鋭い針毛(棘)を生やしているのが特徴です。アメリカヤマアラシ科(Erethizontidae)1科のみから成ります。

新世界(南北アメリカ)に生息しています。

なお、ヤマアラシ科(Hystricidae)はヤマアラシ小目に属しており別の系統です。

チンチラ上科(Superfamily Chinchilloidea)

チンチラ、パカラナの仲間です。2科から成ります。

デグー上科(Superfamily Octodontoidea)

デグー、ツコツコ、チンチラネズミ、アメリカトゲネズミ、フチア、ヌートリアの仲間です。4科から成ります。

フチアの仲間をフチア科(Family Capromyidae)、ヌートリアをヌートリア科(Family Myocastoridae)とする分類もあります。

ネズミ形亜目(Suborder Supramyomorpha)

Myomorphaとも。ネズミ、ビーバー、ウロコオリスの仲間です。3下目から成ります。

分類によっては、3つの下目を亜目に格上げする場合もあります。その場合は当グループは分類階級なしのクレードになります。

ビーバー形下目(Infraorder Castorimorphi)

Castorimorphaとも。ビーバー、ホリネズミ、ポケットマウスの仲間です。2上科3科から成ります。

分類によっては、当グループを亜目に格上げしてビーバー形亜目(Suborder Castorimorpha)とすることもあります。

ビーバーは木をかじり倒して、ダムを作ることで有名です。

ウロコオリス形下目(Infraorder Anomaluromorphi)

Anomaluromorphaとも。ウロコオリス、トビウサギの仲間です。3科から成ります。

分類によっては、当グループを亜目に格上げしてウロコオリス形亜目(Suborder Anomaluromorpha)とすることもあります。

トビウサギは外見がウサギに似ていることから「~ウサギ」と名付けられていますが、兎形目(ウサギ目)ではありません。

マクナシウロコオリス科(カメルーンウロコオリス(Zenkerella insignis))をウロコオリス科に含める分類もあります。

ネズミ形下目(Infraorder Myomorphi)

Myodontaとも。トビネズミ、ネズミの仲間です。2上科9科から成ります。

分類によっては、当グループを亜目に格上げしてネズミ形亜目(Suborder Myomorpha)とすることもあります(当サイトで採用している、ビーバー形下目やウロコオリス形下目を含むネズミ形亜目とは別物であることに注意)。

当グループだけで哺乳綱の種数の1/4ほどを占めます。

トビネズミ上科(Superfamily Dipodoidea)

トビネズミの仲間です。トビネズミ科(Dipodidae)1科のみとする分類もありますが、当サイトではオナガネズミの仲間とトビハツカネズミの仲間をそれぞれ別の科に分け3科とする分類を採用しています。

ネズミ上科(Superfamily Muroidea)

トゲヤマネ、メクラネズミ、カンガルーハムスター、アシナガマウス、キヌゲネズミ、ネズミの仲間です。6科から成ります。

ハツカネズミやハムスターなど、有名な動物を含みます。

リス形亜目(Suborder Sciuromorpha)

リス、ヤマネ、ヤマビーバーの仲間です。2下目から成ります。

ヤマネ下目(Infraorder Glirimorpha)

ヤマネの仲間です。1上科1科から成ります。

なお、ヤマネを意味する学名「Glir~」は齧歯目と兎形目(ウサギ目)から成るグリレス大目(Grandorder Glires)の名の由来になっています。

リス下目(Infraorder Sciurida)

リス、ヤマビーバーの仲間です。1上科2科から成ります。

ヤマビーバーは「ビーバー」と名が付いていますが、ビーバー形下目とは同じ齧歯目という事以外、関係がありません。

リス科の仲間にはリスの他、マーモット、プレーリードッグ、シマリス、モモンガ、ムササビなどが含まれます。


解説文更新:2018年10月04日(2025年06月25日改訂)

参考




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