鳥亜綱(鳥類)(Aves)

鳥亜綱(Subclass Aves)

いわゆる鳥類の仲間です。現生種における姉妹群は、同じ主竜類に所属するワニ目(Crocodylia)とされます。

最近の学説によると、鳥類は恐竜(Dinosauria)の生き残りであり、爬虫綱の仲間とされます(つまり、単系統群としての恐竜は絶滅しておらず、非鳥恐竜(non-avian dinosaur)[側系統群]が絶滅したというのが正確です。現生生物に限れば、恐竜 = 鳥類です)。

他の爬虫類と異なり恒温動物であり、体が羽毛に覆われています。歯を失い、嘴(くちばし)を持ちます。前足が翼に変化しており、空を飛べる種が多いです。

伝統的に鳥類の分類階級は綱ですが、爬虫綱の下位分類であるため、当サイトでは亜綱(Subclass)階級としています[Ruggiero et al. (2015)]。

当サイトでは[IOC World Bird List v15.1]に倣い、鳥類の内部分類に下綱(Infraclass)と小綱(Parvclass)の分類階級を採用しています。2下綱44目を含みます。

• 古口蓋下綱(Infraclass Palaeognathae)
• 新口蓋下綱(Infraclass Neognathae)
  • キジカモ小綱(Parvclass Galloanserae)
  • 新鳥小綱(Parvclass Neoaves)

当サイトにおける鳥類の分類は主に[IOC World Bird List v15.1]に基づいています。(2018年時点の古い分類は→こちら)

古口蓋下綱(Infraclass Palaeognathae)

古顎下綱とも。ダチョウ、レア、シギダチョウ、ヒクイドリ、エミュー、キーウィの仲間です。5目5科を含みます。

鳥類の中では原始的なグループになります。鳥類の約0.5%ほどを占めます。シギダチョウ以外は空を飛ぶことができず、走鳥類・平胸類とも呼ばれます。

• ダチョウ目(Order Struthioniformes)
• Notopalaeognathae
  • レア目(Order Rheiformes)
  • シギダチョウ目(Order Tinamiformes)
  • Novaeratitae
    • ヒクイドリ目(Order Casuariiformes)
    • キーウィ目(Order Apterygiformes)

ダチョウ目(Order Struthioniformes)

ダチョウ(Struthio camelus)1種のみから成ります。ダチョウ科(Struthionidae)1科のみを含みます。空を飛ぶことができません。アフリカに生息しています。

• ダチョウ科(Family Struthionidae)

レア目(Order Rheiformes)

レア(Rhea americana)とダーウィンレア(Rhea pennata)の2種のみから成ります。レア科(Rheidae)1科のみを含みます。空を飛ぶことができません。南アメリカに生息しています。

• レア科(Family Rheidae)

シギダチョウ目(Order Tinamiformes)

シギダチョウの仲間です。シギダチョウ科(Tinamidae)1科のみを含みます。短距離なら空を飛ぶことができます。北アメリカ南部、南アメリカに生息しています。

• シギダチョウ科(Family Tinamidae)

ヒクイドリ目(Order Casuariiformes)

ヒクイドリ、エミューの仲間です。ヒクイドリ科(Casuariidae)1科のみを含みます。空を飛ぶことができません。ヒクイドリはニューギニアやオーストラリア、エミューはオーストラリアに生息しています。

分類によってはエミュー(Dromaius novaehollandiae)をエミュー科(Family Dromaiidae)とする場合もあります。

• ヒクイドリ科(Family Casuariidae) - ヒクイドリ、エミュー

キーウィ目(Order Apterygiformes)

キーウィの仲間です。キーウィ科(Apterygidae)1科のみを含みます。空を飛ぶことができません。ニュージーランドに生息しています。

• キーウィ科(Family Apterygidae)

新口蓋下綱(Infraclass Neognathae)

新顎下綱とも。古口蓋下綱以外の鳥類から成ります。2小綱39目を含む大きなグループです。

古口蓋下綱と比較すると進化的なグループになります。鳥類のほとんど(約99.5%)を占めます。

キジカモ小綱(Parvclass Galloanserae)

キジ、カモの仲間です。2目8科を含みます。

新口蓋下綱の中では比較的原始的なグループです。鳥類の約4.5%ほどを占めます。

なお[Ruggiero et al. (2015)]ではキジカモ上目(Superorder Galloanserae)としています。

キジ目(Order Galliformes)

ツカツクリ、ホウカンチョウ、ホロホロチョウ、ナンベイウズラ、キジの仲間です。5科を含みます。短距離なら空を飛ぶことができます。

有名な種の大半がキジ科に所属します。特にニワトリ(Gallus gallus domesticus)は家禽として有名で、世界中で飼育されています。

ちなみにキジ(Phasianus versicolor)は日本の国鳥です。

• ツカツクリ科(Family Megapodiidae)
• ホウカンチョウ科(Family Cracidae)
• ホロホロチョウ科(Family Numididae)
• ナンベイウズラ科(Family Odontophoridae)
• キジ科(Family Phasianidae) - キジ、ウズラ、クジャク、ライチョウ、シチメンチョウ、セキショクヤケイ、ニワトリ

カモ目(Order Anseriformes)

サケビドリ、カササギガン、カモの仲間です。3科を含みます。水辺に生息している水鳥です。

有名な種の大半がカモ科に所属します。家禽としてはアヒルやガチョウが有名です。

• サケビドリ科(Family Anhimidae)
• カササギガン科(Family Anseranatidae)
• カモ科(Family Anatidae) - カモ(マガモ、カルガモなど)、オシドリ、アヒル、ガン(マガン、ハイイロガンなど)、ハクチョウ、ガチョウ

新鳥小綱(Parvclass Neoaves)

キジカモ小綱以外の新口蓋下綱から成ります。37目を含む大きなグループです。

キジカモ小綱と比較すると進化的なグループになります。鳥類のほとんど(約95%)を占めます。

なお[Ruggiero et al. (2015)]では新鳥上目(Superorder Neoaves)としています。

新鳥小綱内部の分類は確定していません。当サイトでは[Prum et al. (2015)]と[Jarvis et al. (2014)]の両方で認められるクレードを暫定的に分類表の上目の箇所に当てはめています。

また、ツル目、チドリ目、ツメバケイ目については[Jarvis et al. (2014)][Stiller et al. (2024)]でGruaeというクレードが認められたため、暫定的に分類表の上目の箇所に当てはめています。

• 賛鳥類(Mirandornithes)
• 鳩形類(Columbimorphae)
• 燕雀上類(Passerea)
  • Gruae
    • ツル目(Order Gruiformes)
    • チドリ目(Order Charadriiformes)
    • ツメバケイ目(Order Opisthocomiformes)
  • ノガン・クレード(Otidimorphae)
  • アマツバメヨタカ類(Strisores)
  • Ardeae(Phaethoquornithes)
    • 広尾形類(Eurypygimorphae)
    • 水禽類(Aequornithes)
  • 陸鳥類(Telluraves)

ツル目(Order Gruiformes)

ツル、クイナなどの仲間です。2亜目6科を含みます。有名な種の大半はツル科かクイナ科に所属しています。

• ツル亜目(Suborder Grui)
  • ツル科(Family Gruidae) - ツル(ナベヅル、マナヅルなど)、タンチョウ
  • ツルモドキ科(Family Aramidae)
  • ラッパチョウ科(Family Psophiidae)
• クイナ亜目(Suborder Ralli)
  • クイナ科(Family Rallidae) - クイナ、ヤンバルクイナ、オオバン
  • キボシクイナ科(Family Sarothruridae)
  • ヒレアシ科(Family Heliornithidae)

チドリ目(Order Charadriiformes)

チドリ、シギ、カモメなどの仲間です。19科を含むやや大きめのグループです。水辺に生息している水鳥が多いです。

内部分類は3亜目に分ける見解と6亜目に分ける見解があります。当サイトでは間を取って3亜目6下目に分けています。

• チドリ亜目(Suborder Charadrii)
  • サヤハシチドリ下目(Infraorder Chionidi)
  • チドリ下目(Infraorder Charadriides)
• シギ亜目(Suborder Scolopaci)
  • ヒバリチドリ下目(Infraorder Thinocori)
  • シギ下目(Infraorder Scolopacides)
• カモメ亜目(Suborder Lari)
  • ミフウズラ下目(Infraorder Turnici)
  • カモメ下目(Infraorder Larides)

チドリ亜目(Suborder Charadrii)

サヤハシチドリ下目(Infraorder Chionidi)

亜目階級とすることも。イシチドリ、サヤハシチドリ、マゼランチドリの仲間です。3科を含みます。

• イシチドリ科(Family Burhinidae)
• サヤハシチドリ科(Family Chionidae)
• マゼランチドリ科(Family Pluvianellidae)

チドリ下目(Infraorder Charadriides)

狭義のチドリ亜目(Suborder Charadrii sensu stricto)。

ミヤコドリ、トキハシゲリ、セイタカシギ、ムナグロ、チドリ、ナイルチドリの仲間です。5科を含みます。

ムナグロの仲間は他のチドリ科の仲間との単系統性が疑わしいため、チドリ科から分離してムナグロ科(Family Pluvialidae)とする場合もあります。

• ミヤコドリ科(Family Haematopodidae)
• トキハシゲリ科(Family Ibidorhynchidae)
• セイタカシギ科(Family Recurvirostridae)
• チドリ科(Family Charadriidae) - ムナグロの仲間を含む
• ナイルチドリ科(Family Pluvianidae)

シギ亜目(Suborder Scolopaci)

ヒバリチドリ下目(Infraorder Thinocori)

亜目階級とすることも。タマシギ、レンカク、クビワミフウズラ、ヒバリチドリの仲間です。4科を含みます。

クビワミフウズラ科は過去にはツル目に含められたこともありました。

• タマシギ科(Family Rostratulidae)
• レンカク科(Family Jacanidae)
• クビワミフウズラ科(Family Pedionomidae)
• ヒバリチドリ科(Family Thinocoridae)

シギ下目(Infraorder Scolopacides)

狭義のシギ亜目(Suborder Scolopaci sensu stricto)。

シギの仲間です。シギ科(Scolopacidae)1科のみを含みます。

• シギ科(Family Scolopacidae)

カモメ亜目(Suborder Lari)

ミフウズラ下目(Infraorder Turnici)

亜目階級とすることも。ミフウズラの仲間です。ミフウズラ科(Turnicidae)1科のみを含みます。

過去にはツル目に含められたこともありました。

• ミフウズラ科(Family Turnicidae)

カモメ下目(Infraorder Larides)

狭義のカモメ亜目(Suborder Lari sensu stricto)。

カニチドリ、ツバメチドリ、カモメ、トウゾクカモメ、ウミスズメの仲間です。5科を含みます。

絶滅した†オオウミガラス(Pinguinus impennis)はウミスズメ科に所属し、元祖ペンギンとも呼ばれていました。

• カニチドリ科(Family Dromadidae)
• ツバメチドリ科(Family Glareolidae)
• カモメ科(Family Laridae) - カモメ、アジサシ、ハサミアジサシ
• トウゾクカモメ科(Family Stercorariidae)
• ウミスズメ科(Family Alcidae) - ウミスズメ、ウミガラス、オオハシウミガラス、ツノメドリ(パフィン)、エトピリカ

ツメバケイ目(Order Opisthocomiformes)

ツメバケイ(Opisthocomus hoazin)1種のみから成ります。ツメバケイ科(Opisthocomidae)1科のみを含みます。南アメリカに生息しています。

• ツメバケイ科(Family Opisthocomidae)

鳩形類(Columbimorphae)

ハト・クレードとも。ハト目、クイナモドキ目、サケイ目の3目を含むクレードです。当サイトの分類表では上目相当としていますが正式な分類階級は未定です。

ハト目(Order Columbiformes)

ハトの仲間です。ハト科(Columbidae)1科のみを含みます。

カワラバトなどが有名です。絶滅した†ドードーや†リョコウバトも含みます。余談ですがキジバトはキジ科ではなくハト科です。

• ハト科(Family Columbidae) - カワラバト、アオバト、キジバト

クイナモドキ目(Order Mesitornithiformes)

クイナモドキの仲間です。クイナモドキ科(Mesitornithidae)1科のみを含みます。ツル目(クイナ科を含む)と近縁かどうかは不明です。

• クイナモドキ科(Family Mesitornithidae)

サケイ目(Order Pteroclidiformes)

サケイの仲間です。サケイ科(Pteroclidae)1科のみを含みます。

過去にはハト目サケイ科とされていました。現在では独立目とするのが主流ですが、同じハト・クレードに属していて、ハト目と近縁ではあります。

• サケイ科(Family Pteroclidae)

賛鳥類(Mirandornithes)

ミランドルニテス・クレードとも。カイツブリ目、フラミンゴ目の2目を含むクレードです。当サイトの分類表では上目相当としていますが正式な分類階級は未定です。

カイツブリ目(Order Podicipediformes)

カイツブリの仲間です。カイツブリ科(Podicipedidae)1科のみを含みます。

水辺に生息する水鳥で、足が後方についているため陸上ではまともに立つことができませんが、水中では大きな推進力を得ることができます。似た特徴を持つアビ目とは特に近縁ではありません。

• カイツブリ科(Family Podicipedidae)

フラミンゴ目(Order Phoenicopteriformes)

フラミンゴの仲間です。フラミンゴ科(Phoenicopteridae)1科のみを含みます。

水辺に生息する水鳥で、片足で直立している姿を見ることができます。体のピンク色は餌である藍藻(シアノバクテリア)由来です。

• フラミンゴ科(Family Phoenicopteridae)

ノガン・クレード(Otidimorphae)

エボシドリ目、ノガン目、カッコウ目の3目を含むクレードです。当サイトの分類表では上目相当としていますが正式な分類階級は未定です。

エボシドリ目(Order Musophagiformes)

エボシドリの仲間です。エボシドリ科(Musophagidae)1科のみを含みます。頭部に烏帽子のような目立つ冠羽があります。

• エボシドリ科(Family Musophagidae)

ノガン目(Order Otidiformes)

ノガンの仲間です。ノガン科(Otididae)1科のみを含みます。

過去にはツル目に含められたこともありました。現在ではツル目と近縁かどうかは不明です。

• ノガン科(Family Otididae)

カッコウ目(Order Cuculiformes)

カッコウの仲間です。カッコウ科(Cuculidae)1科のみを含みます。

カッコウを始め、多くの種が托卵をすることで有名です。ホトトギスは「鳴かぬなら～ホトトギス」の言い習わしで有名です(～には「殺してしまえ」「鳴くまで待とう」などが入ります)。

• カッコウ科(Family Cuculidae) - カッコウ、ホトトギス(鳥類)、オオミチバシリ(ロードランナー)

アマツバメヨタカ類(Strisores)

アマツバメ目、旧ヨタカ目の2目を含むクレードです。当サイトの分類表では上目相当としていますが正式な分類階級は未定です。

旧ヨタカ目は側系統群であり、アマツバメ目と合わせて初めて単系統群になります(当クレード)。

そのため旧ヨタカ目は2025年最新の[IOC World Bird List v15.1]ですと、ズクヨタカ目、ヨタカ目、ガマグチヨタカ目、アブラヨタカ目、タチヨタカ目に解体され、アマツバメヨタカ類は6目になっています。

ズクヨタカ目はアマツバメ目に近縁であり、アマツバメ目に含めてズクヨタカ亜目(Suborder Aegotheli)とする場合もあります。

• ヨタカ目(Order Caprimulgiformes)
• ガマグチヨタカ目(Order Podargiformes)
• アブラヨタカ目(Order Steatornithiformes)
• タチヨタカ目(Order Nyctibiiformes)
• 広義のアマツバメ目(Order Apodiformes sensu lato)
  • ズクヨタカ目(Order Aegotheliformes)
  • アマツバメ目(Order Apodiformes)

アマツバメ目(Order Apodiformes)

アマツバメ、ハチドリの仲間です。2亜目3科を含みます。昼行性です。

「～ツバメ」と名付けられていますが、ツバメ(スズメ目)とは特に近縁ではありません。

• アマツバメ亜目(Suborder Apodi)
• ハチドリ亜目(Suborder Trochili)

アマツバメ亜目(Suborder Apodi)

アマツバメ、カンムリアマツバメの仲間です。2科を含みます。昼行性です。

足の指が全て前方を向いているため木の枝に止まることができません。そのためかいつも空を飛んでおり、地上に止まるのは繁殖の時など例外的です。

• アマツバメ科(Family Apodidae)
• カンムリアマツバメ科(Family Hemiprocnidae)

ハチドリ亜目(Suborder Trochili)

ハチドリの仲間です。ハチドリ科(Trochilidae)1科のみを含みます。昼行性です。木の枝に止まることが可能です。

鳥類の中で最も体が小さいグループであり、特にマメハチドリ(Mellisuga helenae)は世界最小の鳥です。

ホバリング飛行が得意であり、ブンブン音を立てることからハチドリ(Hummingbird)と名付けられています。

• ハチドリ科(Family Trochilidae)

ズクヨタカ目(Order Aegotheliformes)

ズクヨタカの仲間です。ズクヨタカ科(Aegothelidae)1科のみを含みます。夜行性です。木の枝に止まることが可能です。

過去にはヨタカ目に含められていましたが、系統解析の結果アマツバメ目の方により近縁なため、分割されました。

• ズクヨタカ科(Family Aegothelidae)

旧ヨタカ目(Order Caprimulgiformes)[側系統群(paraphyletic)]

ズクヨタカ、ヨタカ、ガマグチヨタカ、アブラヨタカ、タチヨタカの仲間です。5科を含みます。夜行性です。

「～タカ」と名付けられていますが、タカ目とは特に近縁ではありません。

ヨタカ目は側系統群であり、アマツバメ目と合わせない限り単系統群にはなりません。5科間の関係があまりよく分かっていないため、2018年現在、分類の再編があまり進んでいません。

2025年最新の[IOC World Bird List v15.1]ではそれぞれの科が独立して1つの目に分割されています。

• ズクヨタカ目(Order Aegotheliformes) = ズクヨタカ科(Family Aegothelidae)
• ヨタカ目(Order Caprimulgiformes) = ヨタカ科(Family Caprimulgidae)
• ガマグチヨタカ目(Order Podargiformes) = ガマグチヨタカ科(Family Podargidae)
• アブラヨタカ目(Order Steatornithiformes) = アブラヨタカ科(Family Steatornithidae)
• タチヨタカ目(Order Nyctibiiformes) = タチヨタカ科(Family Nyctibiidae)

広尾形類(Eurypygimorphae)

ネッタイチョウ目、ジャノメドリ目の2目を含むクレードです。当サイトの分類表では上目相当としていますが正式な分類階級は未定です。

ネッタイチョウ目(Order Phaethontiformes)

ネッタイチョウの仲間です。ネッタイチョウ科(Phaethontidae)1科のみを含みます。

過去にはペリカン目に所属していたこともありましたが、系統解析の結果ネッタイチョウ目として分離されました。

• ネッタイチョウ科(Family Phaethontidae)

ジャノメドリ目(Order Eurypygiformes)

ジャノメドリ、カグーの仲間です。2科を含みます。

• ジャノメドリ科(Family Eurypygidae)
• カグー科(Family Rhynochetidae)

水禽類(Aequornithes)

水鳥クレード。アビ目、ペンギン目、ミズナギドリ目、コウノトリ目、ペリカン目、カツオドリ目の6目を含むクレードです。当サイトの分類表では上目相当としていますが正式な分類階級は未定です。

その名の通り水鳥を多く含みます。

グアノは主に当グループ海鳥の糞が堆積したもので、窒素資源やリン資源として利用されています(いました)。

• アビ目(Order Gaviiformes)
• Feraequornithes
  • Austrodyptornithes
    • ペンギン目(Order Sphenisciformes)
    • ミズナギドリ目(Order Procellariiformes)
  • Pelecanimorphae
    • コウノトリ目(Order Ciconiiformes)
    • Pelecanes
      • ペリカン目(Order Pelecaniformes)
      • カツオドリ目(Order Suliformes)

アビ目(Order Gaviiformes)

アビの仲間です。アビ科(Gaviidae)1科のみを含みます。

海洋に生息する水鳥で、足が後方についているため陸上で立つことはできません。繁殖の際に陸上に上がる場合は体を這うように移動します。似た特徴を持つカイツブリ目とは特に近縁ではありません。

• アビ科(Family Gaviidae) - アビ、オオハム

ペンギン目(Order Sphenisciformes)

ペンギンの仲間です。ペンギン科(Spheniscidae)1科のみを含みます。姉妹群はミズナギドリ目(Procellariiformes)です。

南半球に生息する水鳥で、空を飛ぶことはできませんが泳ぎは得意です。日本では動物園や水族館で人気の動物です。

• ペンギン科(Family Spheniscidae) - コウテイペンギン、アデリーペンギン、ケープペンギン、イワトビペンギン、コガタペンギン

ミズナギドリ目(Order Procellariiformes)

アホウドリ、ミズナギドリ、モグリウミツバメ、ウミツバメ、アシナガウミツバメの仲間です。4科を含みます。姉妹群はペンギン目(Sphenisciformes)です。

ペンギン目と異なり空を飛ぶことができます。アシナガウミツバメの仲間は他のウミツバメ科の仲間との単系統性が疑わしいため、ウミツバメ科から分離してアシナガウミツバメ科(Oceanitidae)としています。

モグリウミツバメの仲間をミズナギドリ科から分離してモグリウミツバメ科(Family Pelecanoididae)とする場合もあります。

• アホウドリ科(Family Diomedeidae)
• ミズナギドリ科(Family Procellariidae) - モグリウミツバメの仲間を含む
• ウミツバメ科(Family Hydrobatidae)
• アシナガウミツバメ科(Family Oceanitidae)

コウノトリ目(Order Ciconiiformes)

コウノトリの仲間です。コウノトリ科(Ciconiidae)1科のみを含みます。

過去にはトキ科、サギ科、シュモクドリ科、ハシビロコウ科を含んでいましたが、系統解析の結果これらはペリカン科に近縁であることが分かったため現在ではコウノトリ目に含みません。

コウノトリは赤ちゃんを運んでくるなどの言い習わしで有名です。

• コウノトリ科(Family Ciconiidae) - コウノトリ、シュバシコウ

ペリカン目(Order Pelecaniformes)

トキ、サギ、シュモクドリ、ハシビロコウ、ペリカンの仲間です。5科を含みます。

過去にはカツオドリ目・ネッタイチョウ目の仲間が所属していたことがあり、逆にトキ科、サギ科、シュモクドリ科、ハシビロコウ科を含んでいませんでした。

トキ科のトキ(Nipponia nippon)は学名のためか日本の国鳥と思われがちですが、実際の日本の国鳥はキジです。

ハシビロコウ(Balaeniceps rex)はアフリカに生息しており、「動かない鳥」として有名です。

• トキ科(Family Threskiornithidae) - トキ、シロトキ、ショウジョウトキ、クロトキ、ヘラサギ
• サギ科(Family Ardeidae) - アオサギ、ササゴイ、コサギ、ミゾゴイ、ゴイサギ、ミノゴイ、サンカノゴイ、ヨシゴイ
• シュモクドリ科(Family Scopidae)
• ハシビロコウ科(Family Balaenicipitidae)
• ペリカン科(Family Pelecanidae) - モモイロペリカン、ハイイロペリカン、カッショクペリカン

カツオドリ目(Order Suliformes)

グンカンドリ、カツオドリ、ウ、ヘビウの仲間です。4科を含みます。

過去にはこのグループはペリカン目に所属していましたが、系統解析の結果カツオドリ目として分離されました。

典型的な水鳥であり、魚を主食としています。グンカンドリの仲間は他の水鳥(主にカツオドリ科)から餌を奪うことで有名です。

ウは「鵜呑み」「鵜の真似をする烏(カラス)」の言い回しや鵜飼いの漁法で有名です。

• グンカンドリ亜目(Suborder Fregatae)
  • グンカンドリ科(Family Fregatidae)
• カツオドリ亜目(Suborder Sulae)
  • カツオドリ科(Family Sulidae)
  • ウ科(Family Phalacrocoracidae) - ウミウ、カワウ、ヒメウ
  • ヘビウ科(Family Anhingidae)

陸鳥類(Telluraves)

陸鳥クレード。タカ目、フクロウ目、ネズミドリ目、オオブッポウソウ目、キヌバネドリ目、サイチョウ目、キツツキ目、ブッポウソウ目、ノガンモドキ目、ハヤブサ目、オウム目、スズメ目の12目を含むクレードです。

その名の通り陸鳥を多く含みます。

以下は[Stiller et al. (2024)]における内部分類の仮説です。当サイトではHieraves、ブッポウソウ上目(Coraciimorphae)、オーストラリア鳥類(Australaves)のクレードを暫定的に分類表の上目の箇所に当てはめています。

• アフリカ鳥類(Afroaves)
  • Hieraves
    • タカ目(Order Accipitriformes)
    • フクロウ目(Order Strigiformes)
  • ブッポウソウ上目(Superorder Coraciimorphae)
• オーストラリア鳥類(Australaves)

タカ目(Order Accipitriformes)

タカ、ワシ、ミサゴ、ヘビクイワシ、コンドルの仲間です。2亜目4科を含みます。

生態系の高位に立つ猛禽類であり、鋭くとがった爪や嘴を持っています。種の大半がタカ科に所属します。視力に優れる種が多いです。

タカとワシの区別に明確な基準はなく、タカよりワシの方が若干体が大きいくらいでどちらもタカ科です(例外もあります)。

コンドル科の仲間は屍肉を食べる習性があります。他のタカ目とは別のコンドル亜目としますが、別目のコンドル目(Cathartiformes)とする分類もあります。

過去にはハヤブサ科が所属していましたが、系統解析の結果ハヤブサ目として分離されました。

• タカ亜目(Suborder Accipitres)
  • タカ科(Family Accipitridae) - オオタカ、クマタカ、オオワシ、イヌワシ、ハクトウワシ、オウギワシ、トビ(トンビ)、チュウヒ、ツミ、ノスリ
  • ミサゴ科(Family Pandionidae)
  • ヘビクイワシ科(Family Sagittaridae)
• コンドル亜目(Suborder Cathartae)
  • コンドル科(Family Cathartidae)

フクロウ目(Order Strigiformes)

フクロウ、メンフクロウの仲間です。2科を含みます。大半の種が夜行性です。視覚(特に夜)と聴覚に優れています。

メンフクロウ以外の大半の種がフクロウ科に所属します。羽角のあるものをミミズク、羽角のないものをフクロウと言ったりしますが、どちらもフクロウ目です。

そのどこか愛嬌のあるルックスに反して、猛禽類として認識されています。余談ですがワシミミズクはタカ科ではなくフクロウ科です。

• フクロウ科(Family Strigidae) - フクロウ、モリフクロウ、シマフクロウ、シロフクロウ、アフリカオオコノハズク、ワシミミズク
• メンフクロウ科(Family Tytonidae)

ブッポウソウ上目(Superorder Coraciimorphae)

ネズミドリ目、オオブッポウソウ目、キヌバネドリ目、サイチョウ目、キツツキ目、ブッポウソウ目の6目を含むクレードです。

当サイトでは暫定的に上目の階級を与えていますが、正式な分類階級は未定です。以下は[Stiller et al. (2024)]を基にした内部分類の仮説です。

• ネズミドリ目(Order Coliiformes)
• 樹鳥類(Cavitaves)
  • オオブッポウソウ目(Order Leptosomatiformes)
  • Eucavitaves
    • キヌバネドリ目(Order Trogoniformes)
    • ゲラ・ブッポウソウ類(Picocoraciae)
      • サイチョウ目(Order Bucerotiformes)
      • 強カゲラ類(Picodynastornithes)
        • キツツキ目(Order Piciformes)
        • ブッポウソウ目(Order Coraciiformes)

ネズミドリ目(Order Coliiformes)

ネズミドリの仲間です。ネズミドリ科(Coliidae)1科のみを含みます。ネズミのような羽毛の色、ネズミの様に走ることからネズミドリと呼ばれます。

• ネズミドリ科(Family Coliidae)

オオブッポウソウ目(Order Leptosomatiformes)

オオブッポウソウ(Leptosomus discolor)1種のみから成ります。オオブッポウソウ科(Leptosomatidae)1科のみを含みます。

過去にはブッポウソウ目に所属していましたが、系統解析の結果オオブッポウソウ目として分離されました。

• オオブッポウソウ科(Family Leptosomatidae)

キヌバネドリ目(Order Trogoniformes)

キヌバネドリの仲間です。キヌバネドリ科(Trogonidae)1科のみを含みます。羽の色が鮮やかなケツァールが有名です。

• キヌバネドリ科(Family Trogonidae) - キヌバネドリ、ケツァール

サイチョウ目(Order Bucerotiformes)

ヤツガシラ、サイチョウの仲間です。2亜目4科を含みます。熱帯地方に生息する鳥であり、日本を含む温帯地方で見かけるのはヤツガシラ科のヤツガシラ(Upupa epops)のみです。

• ヤツガシラ亜目(Suborder Upupes)
  • ヤツガシラ科(Family Upupidae)
  • モリヤツガシラ科(Family Phoeniculidae)
• サイチョウ亜目(Suborder Bucerotes)
  • サイチョウ科(Family Bucerotidae)
  • ジサイチョウ科(Family Bucorvidae)

キツツキ目(Order Piciformes)

キリハシ、オオハシ、キツツキの仲間です。2亜目9科を含みます。

キツツキは木をつつくことから名付けられています。別名ケラとも呼ばれ、キツツキ科の鳥には「～ゲラ」の和名を持つ種が多いです。

ゴシキドリ科(Capitonidae)、オオハシゴシキドリ科(Semnornithidae)、オオハシ科(Ramphastidae)をまとめてオオハシ科とする分類もあります(この場合、当目は7科となります)。

南アメリカに生息するオニオオハシ(Ramphastos toco)は嘴の占める割合が鳥類最大であることで有名です。

• キリハシ亜目(Suborder Galbulae)
  • キリハシ科(Family Galbulidae)
  • オオガシラ科(Family Bucconidae)
• キツツキ亜目(Suborder Pici)
  • オオハシ下目(Infraorder Ramphastides)
    • オオゴシキドリ科(Family Megalaimidae)
    • ハバシゴシキドリ科(Family Lybiidae)
    • 広義のオオハシ科(Family Ramphastidae sensu lato)
      • ゴシキドリ科(Family Capitonidae)
      • オオハシゴシキドリ科(Family Semnornithidae)
      • オオハシ科(Family Ramphastidae) - オニオオハシ
  • キツツキ下目(Infraorder Picides)
    • キツツキ科(Family Picidae) - アオゲラ、アカゲラ、クマゲラ、アリスイ、アリツカゲラ
    • ミツオシエ科(Family Indicatoridae) - ノドグロミツオシエ

ブッポウソウ目(Order Coraciiformes)

ハチクイ、ブッポウソウ、カワセミの仲間です。3亜目6科を含みます。

伝統的なブッポウソウ目は側系統群であり、単系統群にするためにオオブッポウソウ目やサイチョウ目が分離されました。

カワセミは水辺で狩りをすることで有名であり、その鮮やかな羽の色は構造色(CDの記録面と同じ理屈)です。

• ハチクイ亜目(Suborder Meropes)
  • ハチクイ科(Family Meropidae)
• ブッポウソウ亜目(Suborder Coracii)
  • ブッポウソウ科(Family Coraciidae)
  • ジブッポウソウ科(Family Brachypteraciidae)
• カワセミ亜目(Suborder Alcedini)
  • カワセミ科(Family Alcedinidae) - カワセミ、ヤマセミ、ショウビン
  • ハチクイモドキ科(Family Momotidae)
  • コビトドリ科(Family Todidae)

オーストラリア鳥類(Australaves)

ノガンモドキ目、ハヤブサ目、オウム目、スズメ目の4目を含むクレードです。進化の起源が南半球にあるのでこの名が付いたとされます。

当サイトの分類表では上目相当としていますが正式な分類階級は未定です。以下は[Stiller et al. (2024)]を基にした内部分類の仮説です。

• ノガンモドキ目(Order Cariamiformes)
• 真ハヤブサ形類(Eufalconimorphae)
  • ハヤブサ目(Order Falconiformes)
  • オウム・スズメ類(Psittacopasserae)
    • オウム目(Order Psittaciformes)
    • スズメ目(Order Passeriformes)

ノガンモドキ目(Order Cariamiformes)

ノガンモドキの仲間です。ノガンモドキ科(Cariamidae)1科のみを含みます。

• ノガンモドキ科(Family Cariamidae)

ハヤブサ目(Order Falconiformes)

ハヤブサの仲間です。ハヤブサ科(Falconidae)1科のみを含みます。

タカ目同様、生態系の高位に立つ猛禽類であり、過去にはタカ目に含められていました。現在では独立目とする分類が主流です。

ハヤブサの仲間は時速300km超で飛行する種がおり、2018年現在、新幹線の名前の由来にもなっています。

• ハヤブサ科(Family Falconidae) - ハヤブサ、カラカラ、ワライハヤブサ

オウム目(Order Psittaciformes)

インコ目とも。オウム、インコの仲間です。4科を含みます。姉妹群はスズメ目(Passeriformes)です。

湾曲した嘴と鮮やかな羽の色が特徴で、人の言葉を喋る種がいるなど知能が高いです。

オウムとインコの名前の区別に明確な基準はなく、オウム科に「～インコ」と名付けられた種も存在します。

オウム目の内部分類は研究途上であり、旧インコ科は側系統群である可能性が高まりました。当サイトでの分類は[IOC World Bird List v15.1]に基づき、旧インコ科をフクロウオウム科、ヨウム科、インコ科に3分割してオウム目を4科としています。

科の和名は[山崎・亀谷 (2019)]に従っています。

• フクロウオウム科(Family Strigopidae) - フクロウオウム(カカポ)、カカ、ミヤマオウム
• (Unnamed)
  • オウム科(Family Cacatuidae) - オカメインコ、モモイロインコ、キバタン、コバタン
  • インコ上科(Superfamily Psittacoidea)
    • ヨウム科(Family Psittacidae) - ヨウム
    • インコ科(Family Psittaculidae) - ヒインコ、セキセイインコ

スズメ目(Order Passeriformes)

イワサザイ、タイランチョウ、スズメの仲間です。3亜目を含みます。姉妹群はオウム目(Psittaciformes)です。

• イワサザイ亜目(Suborder Acanthisitti)
• Eupasseres
  • タイランチョウ亜目(Suborder Tyranni)
  • スズメ亜目(Suborder Passeri)