条鰭綱(Actinopterygii)

科レベルの分類(骨鰾区、正真骨区以外)(Families)


Class
亜綱
Subclass
下綱
Infraclass
巨区
Megacohort
上区
Supercohort

Cohort

Order
亜目
Suborder

Family
条鰭綱
Actinopterygii


































条鰭綱
Actinopterygii
分岐鰭亜綱(腕鰭亜綱)
Cladistia
ポリプテルス目
Polypteriformes
ポリプテルス科
Polypteridae
軟質亜綱
Chondrostei
チョウザメ目
Acipenseriformes
チョウザメ亜目
Acipenseroidei
ヘラチョウザメ科
Polyodontidae
チョウザメ科
Acipenseridae
新鰭亜綱
Neopterygii


































新鰭亜綱
Neopterygii
全骨下綱
Holostei
ガー目
Lepisosteiformes
ガー科
Lepisosteidae
アミア目
Amiiformes
アミア亜目
Amioidei
アミア科
Amiidae
真骨下綱
Teleostei


































真骨下綱
Teleostei
カライワシ巨区
Elopocephalai
カライワシ区
Elopomorpha
カライワシ目
Elopiformes
カライワシ科
Elopidae
イセゴイ科
Megalopidae
ソトイワシ目
Albuliformes
ソトイワシ科
Albulidae
ソコギス目
Notacanthiformes
トカゲギス科
Halosauridae
ソコギス科
Notacanthidae
ウナギ目
Anguilliformes
ムカシウナギ亜目
Protanguilloidei
ムカシウナギ科
Protanguillidae
ホラアナゴ亜目
Synaphobranchoidei
ホラアナゴ科
Synaphobranchidae
ウツボ亜目
Muraenoidei
ザトウウナギ科
Heterenchelyidae
ヒレウツボ科
Myrocongridae
ウツボ科
Muraenidae
イワアナゴ亜目
Chlopsoidei
イワアナゴ科
Chlopsidae
アナゴ亜目
Congroidei
ヘラアナゴ科
Derichthyidae
ウミヘビ科
Ophichthidae
ハモ科
Muraenesocidae
クズアナゴ科
Nettastomatidae
アナゴ科
Congridae
ハリガネウミヘビ亜目
Moringuoidei
ハリガネウミヘビ科
Moringuidae
フウセンウナギ亜目
Saccopharyngoidei
ヤバネウナギ科
Cyematidae
タンガクウナギ科
Monognathidae
フウセンウナギ科
Saccopharyngidae
フクロウナギ科
Eurypharyngidae
ウナギ亜目
Anguilloidei
シギウナギ科
Nemichthyidae
ノコバウナギ科
Serrivomeridae
ウナギ科
Anguillidae
アロワナ巨区
Osteoglossocephalai
アロワナ上区
Osteoglossocephala
アロワナ区
Osteoglossomorpha
ヒオドン目
Hiodontiformes
ヒオドン科
Hiodontidae
アロワナ目
Osteoglossiformes
パントドン科
Pantodontidae
アロワナ科
Osteoglossidae
ナギナタナマズ科
Notopteridae
モルミュルス科
Mormyridae
ギュムナルクス科
Gymnarchidae
ニシン上区
Clupeocephala
骨鰾区
Otocephala(Otomorpha)
正真骨区
Euteleostei


分類表更新:2020年05月(2025年08月改訂)


条鰭綱(Class Actinopterygii)

魚類の大半が所属しています。骨格の大半が硬骨で構成されています(硬骨魚類)。鰭条と呼ばれる線状の鰭を持ちます。

一般的に魚類と言えばこのグループを指すことが多いです。海水・淡水を問わず、水中で最も繁栄している脊椎動物です。

四肢動物の肺と相同である鰾(ひょう/浮き袋)を持ち、浮力調節を行います。鱗を持つ種が多いですが、持たない種も存在します。

分類階級は上綱[Ruggiero et al. (2015)]としたり、亜綱[Nelson (2016)]としたりすることもあります。当サイトでは綱[きまぐれ生物学]を採用しています。

3亜綱67目(といくつかの所属目不明の科)から成ります。当サイトの条鰭綱の分類は主に[Nelson (2016)]に従っています。([Nelson (2006)]に準拠する古い分類は→こちら)

以下に内部分類を下綱の階級まで示します。

分岐鰭亜綱(Subclass Cladistia)
= ポリプテルス目(Order Polypteriformes)

腕鰭亜綱とも。ポリプテルス、アミメウナギの仲間です。ポリプテルス目1目のみから成ります。小離鰭(しょうりき)と呼ばれる小さな背鰭が10枚前後ある、「ガノイン鱗」と呼ばれる硬い鱗に覆われているなどの特徴があります。

条鰭綱の中では最も最初に分岐しており、原始的な特徴を有しています。生きている化石と呼ばれることもあります。アフリカの淡水に生息する熱帯魚です。

鰾(浮き袋)は肺としての機能も有しており、空気呼吸を行うこともあります。ハイギョと共通していますが、肺魚綱ではありません。

軟質亜綱(Subclass Chondrostei)
= チョウザメ目(Order Acipenseriformes)

チョウザメ、ヘラチョウザメの仲間です。現生種に限ればチョウザメ目と同じです。チョウザメの卵は高級食材のキャビアとして有名です。

条鰭綱の中では分岐鰭亜綱の次に分岐しており、原始的な特徴を有しています。生きている化石と呼ばれることもあります。

骨格の大半が軟骨である特徴を有しています。和名に「~ザメ」と付いており見た目もサメに似ていますが、軟骨魚綱ではありません。

新鰭亜綱(Subclass Neopterygii)

全骨下綱、真骨下綱の2下綱65目から成ります。条鰭綱の大半を占めます。

全骨下綱(Infraclass Holostei)

ガー、アミアの仲間です。ガー目、アミア目の2目のみから成ります。姉妹群は真骨下綱(Teleostei)です。

新鰭亜綱の中ではやや原始的なグループです。ポリプテルス目同様、鰾(浮き袋)は肺としての機能も有しており、空気呼吸を行うこともあります。

ガー目(Order Lepisosteiformes)

ガーの仲間です。北米に生息する淡水魚です。ポリプテルス目同様、「ガノイン鱗」と呼ばれる硬い鱗に覆われているなどの特徴があります。

原始的な特徴を有しているため、生きている化石と呼ばれることもあります。姉妹群はアミア目(Amiiformes)です。

アミア目(Order Amiiformes)

現生種はアミア・カルヴァ(Amia calva)1種のみから成ります。北米に生息する淡水魚です。ガー目と異なりガノイン鱗は退化傾向にあります。

原始的な特徴を有しているため、生きている化石と呼ばれることもあります。姉妹群はガー目(Lepisosteiformes)です。

真骨下綱(Infraclass Teleostei)

条鰭綱の大半を占める一大グループです。4区63目(といくつかの所属目不明の科)から成ります。姉妹群は全骨下綱(Holostei)です。

鰾(浮き袋)は肺としての機能を失っており、浮力調節に特化しています。鱗はポリプテルス目やガー目のようなガノイン鱗ではなく、いわゆる普通の円鱗(葉状鱗)である種が多いです。

以下は主に[Nelson (2016)][Betancur-R. et al. (2017)]に基づく4区間の関係となります。

カライワシ巨区(Megacohort Elopocephalai)
= カライワシ区(Cohort Elopomorpha)

カライワシ、ソトイワシ、ウナギ、ソコギスの仲間です。4目から成ります。

真骨下綱に所属する4つの区の中では最初に分岐したとされます。幼生はレプトケファルスと呼ばれ、平たく透明な形状をしているのが特徴です。

「~イワシ」の和名を持つ種が多いですが、イワシとは異なる系統の生物です(イワシは骨鰾区ニシン目)。

ウナギ目(Order Anguilliformes)

ウナギ、アナゴ、ウツボ、ウミヘビ、フウセンウナギなどの仲間です。

体は細長く、いわゆるウナギ型をしています。ウナギやアナゴは食用として人気があり、ウナギの蒲焼や寿司のネタとして有名です。

チンアナゴなどはその愛らしい姿から観賞魚として人気があります。ウツボは噛む力が強かったり一部の種は毒を持っていたりして危険視されています。

当目のウミヘビ科(Ophichthidae)は、爬虫綱有鱗目コブラ科のウミヘビ亜科(Hydrophiinae)とは全く別のグループです。

アロワナ上区(Supercohort Osteoglossocephala)
= アロワナ区(Cohort Osteoglossomorpha)

ヒオドン、アロワナの仲間です。2目から成ります。真骨下綱に所属する4つの区の中ではカライワシ区に次いで分岐したとされます。

やや原始的な特徴を有しており、古代魚、生きている化石と呼ばれることもあります。

ヒオドン目(Order Hiodontiformes)

現生種はムーンアイ(Hiodon tergisus)、ゴールドアイ(Hiodon alosoides)の1属2種のみから成ります。

北米に生息する淡水魚です。

アロワナ目(Order Osteoglossiformes)

アロワナ、ピラルクー、ナギナタナマズ、エレファントノーズフィッシュなどの仲間です。熱帯域に生息する淡水魚です。

アロワナは観賞魚として人気があります。一部の種は鰾(浮き袋)を肺の様に空気呼吸に使ったり、発電器官を持っていたりします。

ピラルクーは淡水魚として世界最大級の大きさ(3m-5m)を誇ります。

骨鰾区(Cohort Otocephala)

Otomorphaとも。骨鰾上目およびこれに近縁なニシン、セキトリイワシの仲間です。3上目7目から成ります。姉妹群は正真骨区(Euteleostei)です。

正真骨区(Cohort Euteleostei)

真骨下綱に所属する4つの区の中では最大のグループです。10上目50目(といくつかの所属目不明の科)から成ります。姉妹群は骨鰾区(Otocephala)です。


解説文更新:2020年06月06日(2025年08月23日改訂)

参考




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